ティー・ワイの山内社長が電験三種に合格 合格率わずか1割の難関
【更別】再生可能エネルギー開発や建設などを手がけるティー・ワイ(更別)の社長、山内俊男さん(66)は、合格率わずか1割の国家資格「第三種電気主任技術者」(電験三種)に合格した。2年9カ月かけて必要な全4科目の試験を突破した。
電験三種は、発電所や変電所、工場等に設置されている電圧5万ボルト未満の電気設備の保安や監督を担うことができる国家資格。2012年から太陽光発電事業に乗り出した同社は、事業拡大に伴い監督業務を自社で担えるよう、社員と共に受験を始めた。
試験は「理論」「電力」「機械」「法規」に分かれ、3年以内に全科目に合格しなければならない。過去にも力試しで受験した経験があるものの、合格したのは機械分野だけ。その後、受験から遠のいていた。
再チャレンジとなった21年に電気と機械分野に合格。その後、社員の合格や有資格者の入社もあり、「(自分が資格取得を)しなくていいかも」とも思ったが、自身の成長につなげようと勉強を続けた。
専門である土木や建築分野の資格も10種ほど保有するが、電験三種は「今までの資格試験の中でダントツに難しかった」という。三角関数など数学問題も多く、中学数学から復習することになり、「こんなに勉強したのは大学受験以来」と笑う。
22年には理論、そして23年9月に法規にも合格し、同年11月末に念願の免状を受け取った。交流がある電気事業者からの反響も大きく、「息子と一緒に受けてみようと思う」という関係者の声には、「誰かの刺激になれてよかった」と振り返る。
再エネに注目が集まる中、ここ10年で電験三種の需要も高まっている。「自分を甘やかしたら終わりと思い、日々挑戦している。今回の合格が若い人が受けるきっかけになれば」と話した。(近藤周)