道立学校、猛暑対策で夏休み延長 年間休日は最大6日増加 市町村にも波及か
【札幌】道教委は22日、今夏の記録的な猛暑を受け、道立学校の夏休みと冬休みを合わせた休日数の規定を「年間50日以内」から、「年間56日以内」とすると決定した。これまで夏・冬それぞれ「25日以内」としていた規定が削除され、延長は来年度の夏休みから適用される。道立高校などが対象だが、十勝管内の市町村教委の多くも夏休みの延長を検討しており、小中学校も見直しの動きが広がるとみられる。(沖田唯可、澤村真理子)
道内では今年、暑さ対策を呼び掛ける「熱中症警戒アラート」が全域で発令されるなど記録的な暑さが続いた。十勝管内でも、下校時間の繰り上げや部活動の中止などの措置が取られ、熱中症の疑いによる救急搬送も相次いだ。こうした事態を踏まえ、道教委は9月から夏休みの延長に関する検討を開始。校長会など関係団体からの意見聴取を進めてきた。
道教委は他県の休業日数を参考にした上で、年間休業日数を6日増加しても授業日数に影響は出ないと判断。夏休みと冬休みを「25日以内」と定める現在の規定を削除し、各高校の校長が年間56日以内の日数の範囲で設定できるようにした。管理規則は来年4月1日から施行される。
また、道教委は同日、危機管理マニュアルを一部改訂。「熱中症警戒アラート」が発表された場合には、「臨時休業を検討する」との文言を新たに追加した。
道教委の規定は、道内の市町村教委の規定の基準となっている。十勝毎日新聞社が今月上旬、19市町村教委に行った取材では、11市町村教委が夏休みの延長を「検討中」と回答。道教委の方針を受けて検討を進めるとの回答もあり、授業時間の確保や校内の冷房環境などの条件を踏まえて議論が行われる見通しだ。
帯広「動向見極め」
帯広市教委は、市の学校管理規則で現在定めている夏・冬休み合わせて「50日以内」の範囲内で、延長を検討していた。道教委の決定を受けて、市教委は「人口が同規模の他都市や十勝の町村の動向を見極めながら判断したい」としている。