戦禍の芸術感じて 15日まで「ウクライナの名画展」 ディステリア京屋
ウクライナ支援を目的とした「ウクライナの名画展」と、世界の著名な画家の作品を集めた「竹久夢二と世界の名画展」が、帯広市内のディステリア京屋2階DKギャラリー(西8南6)で開かれている。作品は一部販売し、売上金はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じてウクライナに寄付される。15日まで。(細谷敦生)
美術催事を企画する北海道アートアドバイス(札幌、山地克紀代表)が主催。ウクライナの名画展は、ロシアによるウクライナ侵攻によって、現地の美術館が破壊されたり、美術作品が失われたりしたことに心を痛めた山地代表が支援したいと企画。スロバキアの知人を通して作品を購入した。
ウクライナの画家オレグ・デニセンコさんの繊細な銅版画「星の王子様」や、セルゲイ・キルニッキーさんが戦時中に描いた「嵐を鎮める聖ニコラス」など24点が並ぶ。この作品展にキルニッキーさんは「僕の作品が展示されることに対して、とてもうれしく思います。このつらい時代で、こんな明るいニュースを頂いたことに感謝します」とコメントを寄せた。
竹久夢二と世界の名画展には、大正ロマンを象徴する竹久夢二のほか、坂本直行や園田郁夫など十勝にゆかりのある画家、シャガールやピカソなど世界的に有名な画家の作品が70点以上並んでいる。竹久夢二が関東大震災の直後に被災地を歩いてスケッチした「震災後の品川お台場」は全国初公開となる。
山地代表は「ウクライナでは今も、(作家が)恐怖の中で制作している。哲学的だったり、物語性のある作品が多くて好き」と語る。「人気作家の文化的に価値の高い作品を多くそろえた。幅広い世代に芸術の秋を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。午前10時~午後5時。入場無料、会場にウクライナ支援の募金箱を置いている。