「新嵐山」支援を否決、今季営業せず清算へ 「再生へ町民議論を」
【芽室】芽室町議会は21日に開かれた定例会議で、経営状況が悪化している第三セクター・めむろ新嵐山(社長・佐野寿行副町長)への支援金5200万円を含む今年度一般会計補正予算案を反対多数で否決した。町がこの件について、審議のやり直し(再議)を求める可能性は低く、今後は清算作業を進めていくとしている。
町は、めむろ新嵐山スカイパークを運営する同社について、コロナ禍で指定管理料の積算と実績の乖離(かいり)があったとして、支援金5200万円の投入方針を議会に提案していた。
これに対し議会は「新嵐山スカイパーク経営改革調査特別委員会」(委員長・鈴木健充副議長)を設置し、3回にわたり町への調査を実施。町は今年度末までの同社の収支予算計画を提出し、スキー場のナイター営業や第2リフトの運用休止などの経費削減策を示していた。
21日の定例会議では、補正予算案の審議について予算決算特別委員会に付託。討論では議員から「計画は消極的なものであり、一時的な延命では本質的な解決には至らない」「町民ファーストであるべき経営が(計画からは)見込めない」などの反対意見が多数上がり、委員会後の採決で、補正予算案は賛成4、反対11で否決された。
否決を受け手島旭町長は「それなりの主張をしてきた中で否決されたことは残念」とし、圧倒的反対多数の結果から、再議を行わない見通しを示した。今後は最低でも1カ月ほどの期間をかけて清算手続きを行っていくとし、それと並行して新嵐山スカイパーク再生に向け、今後の在り方を「議会や町民との議論を続けていく」としている。
町議会としても、「今回の否決が新嵐山をやめることにはつながらず、ここからが再生新嵐山のスタートとなる」(梶澤幸治議長)とし、町や町民を巻き込んだ議論を進めていくとしている。
今回の否決を受け、従業員や取引先への未払いが生じるほか、今シーズンのスキー場営業や事業は中止される。施設の休止期間は今後、町と町議会で話し合いを進める。(近藤周)