高校生の松田さん、頭部出血の96歳男性を救助 着ていたワイシャツで止血
公園で倒れて頭部から出血していた男性(96)に対する勇気ある行動が人命救助につながったとして、とかち広域消防局帯広消防署(加藤和範署長)は1日、帯広工業高校環境土木科2年の松田想太さん(17)に感謝状を贈った。
松田さんや同署によると、5月17日午後7時5分ごろ、部活が終わり友人をバス停に見送った松田さんが帯広市内のまなび野公園で倒れている男性を発見。駆け寄り呼び掛けたところ、意識や呼吸はあるが会話はできず、すぐに119番通報した。
後頭部から出血していることを確認し、救急車を待つ間、自身が着ていたワイシャツを巻き止血するとともに、傷を保護して細菌の感染を防ぐ被覆処置を行った。さらに、現場に到着した救急隊を誘導し男性を引き継いだ。
意識確認や周りの状況の確認は、同署が同校で3月に行った普通救命講習での学びが生きたという。松田さんは「びっくりはしたが、処置をしている間は『助けないと』という感情が大きかった。帰る時になって怖かった、と思った」と振り返り、「救急車が到着したときは日が落ちていた。自分が気付くことができ、助けられて本当に良かった」と話した。
加藤署長は「迅速かつ的確な119番通報や応急手当てと、勇気ある行動に心から感謝したい」と謝辞を述べた。(北村里沙)