日本のチーズ造り映画に 共働学舎など管内3町で撮影
日本のチーズ造りをテーマにしたドキュメンタリー映画の撮影で、監督や制作関係者が9、10の両日、十勝管内の工房などを訪れた。全国の代表的なチーズ造りの現場として、「十勝ラクレット モールウォッシュ」など地域の取り組みを取材、映像に収めた。来年春の完成、公開を予定している。
映画は日本のチーズを国内外に発信する目的で、東京都内でチーズ講師を務める女性4人が中心になって企画、制作している。タイトルは「フロマージュ・ジャポネ」。日本のチーズ造りの歴史やプロセスチーズ生産の高い技術力、ナチュラルチーズのこだわり、日本のチーズの未来について、全国各地の工房や乳業メーカーへの取材を映像にまとめる。
昨年公開された日本ワインのドキュメンタリー映画「ヴァン・ジャポネ」に続いて監督を務めるNORIZOさん、ワイン・チーズ講師の佐藤玲子さん、チーズプロフェッショナル協会(東京)の佐藤優子さんが訪れ、新得、芽室、音更の3町で撮影。共働学舎新得農場の宮嶋望代表には、国内のナチュラルチーズ造りの創生期から歴史を聞き、「TOYO Cheese Factory」(芽室)では最新の製造設備や副産物で出るホエーの処理を取材した。
撮影を終えてNORIZOさんは「土地に合ったチーズ造りを地域として行っている。皆が十勝の一体感を口にしていた」と驚いた様子。宮嶋代表らの話を聞いて佐藤玲子さんは、それぞれの技術の底上げが日本のチーズのレベルを上げて認知度を高めるとし、「チーズは日本人になじみの深い発酵食品。酪農が危機にある中で、その素晴らしさを知ってもらうきっかけになればいい」と制作への意欲を語った。
撮影は11月ごろまで全国各地で行い、製作費の一部を募るクラウドファンディングも実施する。編集作業を経て来年4月に公開を予定、DVDも制作する。(安田義教)