帯広公益社 幕別に家族葬用の斎場を新設 帯広市外では同社初
【幕別】帯広公益社(帯広、渡邉一郎社長)は、幕別町札内共栄町3に家族葬用の斎場「(仮称)帯広公益社幕別新ホール」を新設する。家族葬需要の高まりなどが理由で、同社の斎場新設は9年ぶり。帯広市以外では初めて。9月着工、来夏稼働を予定している。
同社は現在、帯広市内に4カ所の斎場を持ち、年に1100件ほどの葬儀を行っている。5年ほど前から家族葬が増え始め、現在では約4割を占めている。「会員などの声を踏まえると、家族葬需要は今後も高まる」(渡邉聡専務)と予想し、斎場新設を決断した。
場所は国道38号沿いで、敷地面積は2935平方メートル。施設は鉄骨造り平屋、床面積は849平方メートル。最大収容50席と24席の二つのホールを設ける。
他の遺族と会わずに落ち着いて故人と最後のお別れをしたいという要望を受け、出入り口などを複数配置したり、独立した遺体安置室を設けたりと、プライバシーに配慮した設計。
また、管内では初めて、プロジェクションマッピングで風景などが投影できる祭壇を導入。コロナ禍で増えている焼香のみで帰る来場者のためには、遺影を空中に投影して見てもらうことのできる焼香台を導入する。総工費は約5億2000万円、来年6月完成予定。
渡邉専務は「無宗教などによる数人での葬儀や、直葬(宗教儀式などをほとんど行わず火葬する葬儀)にも対応。地域に根差した葬儀社として、なくてはならない施設を目指し、従事者一丸で奉仕したい」と話した。
同社は直近では2013年に市内に一般葬用と家族葬用に斎場「公益社メモリアルホール」と「公益社メモリアル別邸」を建設。21年度の売り上げは約13億6000円、従業員はパート・アルバイトを含め82人。(吉原慧)
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