「北海道は盗みやすかった-」医療品ベトナム人窃盗団 総被害額は約400万円に
北海道は盗みやすかった-。転売目的で医薬品などの盗みを繰り返したベトナム国籍の無職の男3人による窃盗事件について、帯広署の捜査により大量窃盗の背景となる北海道特有の事情が浮き彫りになった。盗品は840点、総被害額は約400万円に上った。
3人は生活費や帰国費用のために昨年9月から医薬品の窃盗を開始。大阪を拠点としていた3人が北海道に目をつけた理由は「道内ドラッグストアの商品陳列数の多さ」。
当時、大阪周辺では東南アジア系外国人によるドラッグストアの窃盗が多発。各店舗で陳列商品を1点のみとしたり、空箱を陳列するなど万引対策を強化していた。
犯人たちの頭にかつて技能実習生として滞在していた帯広市のドラッグストアが浮かんだ。「北海道のドラッグストアは中身の入った商品が多く陳列されており、効率よく盗みができる」。3人は昨年11月9日から道内のドラッグストア24軒から564点を盗んだ。
ベトナムでは近年、日本製医薬品の需要が高まっており、3人は現地のバイヤーから得た、商品名と取引額の書かれたリストを元に医薬品などを盗んでいた。
帯広署は21日をもってこの一連の事件の捜査を終了。釧路地裁帯広支部では3人の裁判が始まっており、28日にも公判を控えている。
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