元運転士が引退のキハ40を見送る 新得
【新得】JR北海道のディーゼル気動車キハ40系が運行の最終日となった11日、同系気動車の運転士だった佐野周二さん(75)=新得町内在住=がJR新得駅3番線ホームで、乗務していた国鉄時代の制服を着て気動車を見送った。
新得町出身の佐野さんは1965年に地元高校を卒業し、旧国鉄に入った。新得機関区に配属後は、運転士として滝川駅や池田駅までを25年間にわたって乗務した。
この日、約30年ぶりに現役当時の制服を袖に通したという佐野さんは「日高山脈を背に十勝平野を疾走したキハ40の姿を思い出す」と懐かしんだ。同じ思いで、佐野さんの元同僚でSL(蒸気機関車)の機関士やディーゼル気動車などの運転士を務めた毛利幸一さん(84)=町内在住=も駅に駆け付けた。
「キハ40 ありがとう!」の手作り看板を掲げた2人は、ゆっくりホームを離れる池田行き普通列車を静かに見送った。(佐々木健通信員)