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帯広の老舗クラブ「ウインザー」復活へ 今月中旬にも開店予定

「歴史あるウインザーの名前と店の継承に身が引き締まる思い」と話すまりあさん(前列左から2人目)とデルタスタッフの松井さん(同左)さきさん(同右)などが支える

 道観光グループが運営し6月閉店した帯広の老舗クラブ「ロイヤルサルーン ウインザー」が復活する。同社の運営で同時に閉めたクラブ「デルタ」で長年働いてきた小林真理亜=源氏名まりあ=さん(49)が、個人事業主として屋号と店舗を引き継ぐことになった。8月中旬にも開店予定。まりあさんは「店名の重みにプレッシャーもあるが、歴史を汚さぬよう、お客さまが楽しんでもらえる店にしていきたい」と張り切っている。

 ウインザーはクラウンビル(大通南10)1階、デルタは同2階に長くあった。デルタは1959年開店し、ウインザーは83年から同グループで運営。両店とも帯広では数少ない本格クラブで、特にウインザーは、昨年死去した西秀子さんが約40年間ママを務め、十勝を代表する夜の社交場として政治・経済界の常連も多かった。ただ、コロナ禍の長期化などを理由に、同社は2店を6月15日に閉店した経緯がある。

 まりあさんは帯広市生まれ。江陵高を卒業して市内企業で約1年勤務後、デルタに入った。結婚で一時店を離れたが、離婚を経て30歳でデルタに復帰し、4人の子育てをしながら閉店まで在籍していた。

仲間10人が集合
 2店の閉店方針を知り「接客が好き。私にはこの仕事しかない」と6月に入り、自ら店を開こうと決心した。デルタで働いた仲間にも声を掛け、デルタ店長だった松井光弘さん(76)や、ウインザーでも勤務経験がある林友紀=源氏名さき=さん(47)ら10人が集まった。

 「同じビルで再スタートしたい」と、ウインザーの場所を使えないか、家主でもある道観光に相談したところ、店名の継承も了承された。道観光では「まりあさんは長く店に貢献してくれ、明るくすてきな人。歴史ある店の名を再び復活させてくれることに感謝。応援したい」としている。

「西ママを目標に」
 コロナ禍での開業となるためマスク接客など感染防止対策を強化する。まりあさんは「緊急事態宣言下で休業したまま閉店し、店であいさつできなかったお客さんも多い。経営は初めてで無我夢中。西ママに少しでも追いつけるよう努力したい」と話す。

 現在、営業許可待ちの段階で、開店時期が変更する可能性もある。デルタの料金システムを採用し、ウインザーの店内は改装せず使用する。(佐藤いづみ)

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