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帯広の2氏、福島特産EC販売などで復興支援 現地の経営者と新会社11日に設立

インターネットで販売予定の川内村の特産を抱えPRする(左から)中村さんと岡田さん

 帯広を拠点に地域活性化などに取り組む自営業の2人が、東日本大震災で事故が起きた福島第1原発近郊地域の経済復興を支援しようと、現地の事業者と新会社「福島311」(本社福島県川内村)を設立する。登記日は震災から丸10年の11日に決めた。生産者らの自立を想定した自社ECサイトなどで福島産品をネット販売するほか、全国の災害過疎地も加え、ネットビジネスで起業する人のサポートにも取り組む。

 2人は、一般社団法人「北海道プロデュース」(帯広)や個人商社「ナカイチ・アジア・ビジネス」(同)の代表中村真也さん(48)と、ネット販売やポータルサイト運営などを手掛ける「北海道キャピタル」(同)社長の岡田知己さん(50)。福島側はティーズ・プランニングルーム(川内村)社長の渡辺正さん(54)。新会社は渡辺さんが社長で2人が取締役。

新会社の社長に就任する渡辺正さん

 渡辺さんは東京電力の福島第1原発から30キロ圏内の同村で生まれ育ち、一度は故郷を離れたが、震災後に再び戻り、商工会復興支援員を務めた。「作り手がプライドを持って生産した品が販路の問題などで成果が出ない状況を打開したかった」と力説する。

 同村を含め原発事故の影響で避難を余儀なくされた12市町村を対象に国などは各種支援事業を展開。その一つ、経産省の委託事業に参加し、2019年に外部支援者の岡田さんと出会い、事業概要を詰めた。その後、岡田さんと親交があった中小企業庁ふるさとプロデューサーの中村さんも加わった。

 新会社の特産品の通販事業として、ポータルサイト(仮称・福島かってがっしぇ市場)を開設し、楽天市場など大手モールへの出品も行う。生産者や製造者は1日1000円と、売り上げの18%の費用を払って商品を用意する。岡田さんがスキーム(枠組み)を整備し、「手間もなく経費は通常より安くできる」という。

 4月にも業務を開始する。まずは同村製造の蕎麦(そば)ビールやイワナのアヒージョ、日本酒など12種。11市町村からも出品を呼び掛け、24~36品ほどまで増やす。PR企画は中村さんが担うほか、出品者は岡田さんからネット販売のノウハウなども学べ、将来的には同サイトを卒業し、自身でネット販売を行うことを目標とする。

 岡田さんはもう一つの柱事業、災害被災地や過疎地を対象に、結果の出るネットビジネスをサポートするポータルサイト運営も手掛ける。中村さんは「3人の出会いは奇跡だが、地方創生への思いは共通。十勝の特産サイトも作り、地域交流も図りたい」としている。詳細は専用HP(QRコード)か中村さん(nakaichi.asia@gmail.com)へ。(佐藤いづみ)

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