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十勝の自転車普及に尽力 鎌田利道さん悼む

リオデジャネイロ五輪に出場した山本選手をネット観戦する鎌田さん(2016年8月22日)

 老舗自転車店・鎌田輪業(帯広市東7南4)のオーナーで、18日に亡くなった鎌田利道さんは、長年にわたり、十勝の自転車競技やサイクリングの普及に尽力した。選手や、サイクル・ツーリズムの普及に取り組む関係者は、鎌田さんを悼むとともに感謝の声を寄せている。

 東京五輪マウンテンバイク競技の日本代表で、幕別町出身の山本幸平選手(35)=ドリームシーカーレーシングチーム=は、自身のファンクラブ会長を長年務めた鎌田さんに「感謝の気持ちしかない」と話す。

 小学4年の時に初めて鎌田輪業を訪れ、家族ぐるみの付き合いを続けた。「小学生でレースに出始めて以降、店に行くたびに『スポーツ選手は常に謙虚であるべきだ』『スポーツは真剣勝負だ、やり続けるしかないんだぞ』と励まされた」と懐かしむ。

 鎌田さんから届いた今年の年賀状には「自分は東京には行けないが、最後まで頑張って」と書かれていた。山本選手は「東京五輪では、教えを忘れずにゴールまで駆け抜けたい」と決意を新たにする。

 十勝サイクリング協会の理事長などを歴任し、自転車愛好者の輪をつくる活動にも力を注いだ。

 昨年のサイクリングイベント「十勝クライムキャンプ」の開催に関わった、十勝バイシクルプロジェクトの小川宣幸代表(47)は「鎌田さんから『受付でもなんでも手伝いたい』と言ってもらった。一線は退きつつも、自転車の楽しみを伝え続けてくれた」と惜しんだ。(北雅貴、深津慶太)

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