めむろワイナリーにワイン製造免許
【芽室】芽室町産ブドウでワイン造りに取り組む「めむろワイナリー」(尾藤光一代表)に1日、帯広税務署から果実酒製造免許が交付された。町中美生の新嵐山スカイパークで建設中の自社ワイナリーでは2日午前、ブドウの選別や仕込みの作業も始まった。ワイナリーは5日までに完成する。町内農家が栽培したブドウを使い、町内で製造する“芽室町100%”のワイン造りが本格的に始まる。
十勝管内では池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(池田)、相澤ワイナリー(帯広)に続く3カ所目のワイナリー。
同社は現在、町内6農家の計8・8ヘクタールの畑で、「山幸」「清見」「清舞」やヨーロッパ種の「シャルドネ」などワイン醸造用品種のブドウを栽培。複数の農家によるワイナリー運営は全国でも珍しい。2018年と19年には、これらのブドウを使って池田町ブドウ・ブドウ酒研究所に醸造や瓶詰めを委託し、新作ワインを販売した。
新嵐山スカイパークに開設するワイナリーは木造平屋建て、床面積450平方メートル。町所有の土地であるため、約3500平方メートルの行政財産使用許可を受けて建設した。年間6万本規模の醸造を目指している。
今回ワイン醸造のために導入した、ブドウの果実を房から取り外す除梗機(じょこうき)は特注品。一粒一粒をつぶさずに取り外すことができるため、より良い品質のブドウを選別できる。尾藤代表によると、この機械の導入はアジアでも初めてで「芽室産ブドウの中でも特に良い部分だけを使用することで、芽室産ワインを世界で誇れるものにしたい」としている。
2日からワインの仕込みを始め、来年6月ごろにはこのワイナリーで製造した最初のワインを発表する予定。尾藤代表は「免許が交付されて、改めて身の引き締まる思い。十勝の先例に負けないワイン造りに向け、いろいろなチャレンジをしていきたい」と話している。(細谷敦生)