浦幌展、熱視線 企画「コロナに世相」 世界メディアが報道
【浦幌】町立博物館で開かれている企画展「『コロナな世相』を語り継ごう」(5月20日~)が、AP通信によって配信され、米国のメディアを中心にニュースとして取り上げられている。新型コロナウイルス感染拡大の日常生活への影響を後世に伝える同展の趣旨は、世界の人々の関心を集めている。
AP通信は8月下旬、「Japan museum portrays pandemic life through everyday things(身近なものからパンデミック生活を描写する日本の博物館)」のタイトルで記事を配信。
米国の日刊紙「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」「サンフランシスコ・クロニクル」、テレビの「ABCニュース」、雑誌「USニューズ&ワールド・リポート」などが取り上げた。「英字朝日新聞」「英字毎日新聞」、サウジアラビアで発行されている英字紙「アラブニュース」にも掲載され、世界的な話題となった。
企画展では、町と町商工会が発行した飲食店を応援するクーポン券、町が全戸配布した使い捨てマスク、町女性団体連絡協議会のイベント中止を周知するチラシ、商店のチラシ広告自粛のお知らせなどを展示。中止になった「第92回選抜高校野球大会」(阪神甲子園球場)の関連グッズも紹介している。
博物館によると日本はもとより、ロシア、中国からも問い合わせがあり、コロナ禍で使われている生活用品の寄贈も。現在は展示していないものを含めて400点を収蔵している。
持田誠学芸員は「(資料は)コロナ禍を振り返る時に必ず役立つ。国内の他の博物館と連携し、情報収集のあり方などを整えたい」としている。企画展は来春まで展示品を入れ替えながら続ける。問い合わせは同館(015・576・2009)へ。(内形勝也)