西帯広で「ながら見守り隊」 地域包括センターと有志で
街のセーフティネットの充実へ “隊員”100人目指す
帯広市内の開西・西帯広地区で活動する地域包括支援センター愛仁園と住民有志が、日常生活を送りながら高齢者らの見守り活動を行う「ながら見守り隊」を結成した。ながら見守り隊は、帯広署と帯広地区防犯協会連合会が取り組みを進めているが、福祉分野から地域独自の活動として誕生したのは帯広市内で初めて。今後、地区内で活動する“隊員”を100人まで増やし、地域の安全を守る。
この取り組みは、厚生労働省が地域ケア体制の構築に向けて各地で推進する生活支援体制整備事業の中から生まれた。少子高齢化とともに認知症患者の増加が見込まれる地域社会で「ちょっとした支え合い」を行う方法を住民らが協議。「ながら見守り」活動を行うことを企画し、今年2月にオリジナルの「ながら見守りバンド」を作製した。
新型コロナウイルスの影響で活動開始が遅れたが、8月31日に西帯広コミュニティセンターでタウンミーティングを開催。最初のメンバーとして住民11人に「ながら見守りバンド」を授与し、9月1日から「あいじえん西帯広見守り隊」として活動を開始した。
帯広市内では四つの地域包括支援センター(愛仁園、帯広市社会福祉協議会、帯広けいせい苑、帯広至心寮)が11の生活圏域を担当しているが、地域包括支援センターと住民有志の共同企画で「見守り隊」が誕生するのは初という。
タウンミーティングに参加し、反射材でできた「ながら見守りバンド」を腕に巻いた松岡勝徳さん(75)は「32区共正町内会で、町内会長を務めさせてもらっている。町内会の人にも活動に参加してもらえれば、地域の支え合いが活発になると思う。前向きに頑張りたい」と意欲を見せていた。(奥野秀康)
<ながら見守り隊>
地域住民が散歩、買い物などの際に「ついでに地域の見守りを行う」ことがコンセプト。バンドを巻いた人が街を歩き、郵便受けに新聞がたまった家、異臭がする家など、異変を感じた時に地域包括支援センターや警察に連絡。単身高齢者や認知症の人などの見守りや、犯罪抑止に役立てる。