ネット利用に期待、「巣ごもり」ターゲット商品も 中元商戦スタート
帯広市内の大型店や百貨店で中元商戦が始まった。今年は新型コロナウイルスを考慮して店頭に感染防止用の間仕切りを設置、入場制限するなど例年とは違う様相を見せている。各店では売り上げ確保へ知恵を絞り、「巣ごもり消費」を意識した商品展開やオンラインショップに力を入れる。
送料一部割引
藤丸(藤本長章社長)は11日、7階にギフトセンターを開設。恒例の出陣式は見送り、来店客の密集を防ぐため、売り場は例年より2倍程広くした。チーズを溶かす機器が付いた「おうちでラクレット」(8800円)など、単価は高めでも自宅で楽しめるセットを増やした。
オンラインでの早期注文限定で送料の一部を割り引くサービスも実施している(11~18日)。「オンラインの受注量を倍にしたい。外出自粛の影響で全体の売り上げは低迷しているが、自宅用も含めて購入単価を上げ、中元商戦は前年並みの売り上げを確保したい」(野瀬洋明係長)と話す。
イトーヨーカドー帯広店も5月末から店頭に加え、オンラインでの受け付けを開始。特設会場では販売員と客の間に飛沫(ひまつ)を防ぐ間仕切りを設け、混雑時は会場外のスペースで待機してもらうなどの対策を施す。
家で楽しめる
商品数は前年並みの約1000点。ゴッホやモネの作品を缶にあしらったギフト、人気料理店の味を家庭で楽しめる商品など、「自宅需要の掘り起こしを狙った商品をそろえた」(平林吉道管理統括マネジャー)とする。ネットで7月26日までに購入するとポイント特典を設けている。「オンラインの利用が伸びるとみている。中元を機に普段の通販利用者も増やしたい」(同)と話す。
イオン北海道は例年通り5月上旬から販売を開始。オンライン限定商品を約400品目そろえるなどネット通販を強化した。「現在までの売り上げは、外出自粛の影響で例年を若干下回っているが、ネットの注文数は増えている」(広報)と期待を寄せている。
各店とも中元のピークは6月下旬から7月上旬。(佐藤いづみ、沖田唯可)