打ち上げに理解求め宣伝活動強化 大樹・IST
【大樹】町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は、観測ロケット「MOMO(モモ)」5号機の再打ち上げについて、地元住民などに周知するキャンペーンを展開する。5号機は新型コロナウイルスの感染拡大に不安を抱く町民らの声を受けて延期したことから、ISTは「正確な情報を伝え、ロケット開発や打ち上げに理解をいただきたい」としている。
5号機は2~6日に町浜大樹の実験場から打ち上げを予定していたが、町からの強い要請を受けてやむなく延期した。ISTは「感染症対策などをしっかり伝えきれていなかった」とし、ISTを応援する「大樹インターステラ後援会」(大庭滋理会長)とともに宣伝活動を強化することを決めた。
周知策の一つとして、稲川社長と大庭会長が出演する動画を撮影。ISTの現状やロケット打ち上げの重要性、打ち上げ当日の来町自粛などを呼び掛ける内容で、18日に動画共有サイト「ユーチューブ」で公開。
近日中に稲川社長のメッセージや感染症防止対策の詳細について記したチラシを新聞に折り込む予定。今月下旬に配られる町の広報紙でも周知を図る。
後援会は町観光協会(一戸勉会長)とともに「宇宙(そら)へ-ロケット打ち上げを応援しています」と書かれたステッカーを作製。店などに貼ってもらい、PRにつなげる。
15日に町内で開かれた後援会の役員会では、ビデオ通話も含めて約20人が参加。大庭会長は「不安を払拭(ふっしょく)するため、各会員が感染症対策などを町民にしっかり伝える必要がある」と訴え、「打ち上げ成功という明るいニュースを届けてほしい」と話した。
同席した稲川社長は「応援していただけるのは大変ありがたい。町や町民の協力があって打ち上げができることを改めて実感している」と感謝していた。
ISTは早期の再打ち上げを目指し、当日は見学場の閉鎖や立ち入り制限区域の拡大、パトロールの強化などで人が立ち入らないよう働き掛ける。(松村智裕)