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無観客で馬券の伸び幅縮小 ばんえい競馬

無観客レースが続く、ばんえい十勝。馬券発売の伸びも鈍化している(無観客初日の2月29日)

 新型コロナウイルスの感染防止対策として無観客レースが続く、帯広市のばんえい競馬。今年度の馬券発売額は300億円に達するなど好調を維持しているが、無観客になってからは販売額の伸びが鈍化し、感染症の影響が長引けば来年度開催にも影響するとみられている。帯広市ばんえい振興室は「一刻も早い終息を祈るばかり」と、通常開催ができる日を待ち望んでいる。

 鈴木直道知事が緊急事態宣言を出した翌日の2月29日から、無観客レースに移行。馬券発売額は無観客になった9日間(16日まで)も前年同期比12・7%増と好調を維持しているが、無観客前(前年同期比29・6%増)と比べて伸びは鈍っている。

 帯広競馬場、直営場外の収入がゼロになったことで、当初想定されていた発売額を下回った。現金収入の帯広競馬場と直営場外の収益率は25%で、これに対し手数料が差し引かれるインターネット販売の収益率は10~15%程度。本場・直営場外の売り上げ減は経営にとって痛手だ。

 他場で開催されるレースの馬券の販売手数料も貴重な収入源で、無観客に移行し、その収入もゼロに。現状はネット販売のみで収益をカバーしており、ばんえい振興室は「額面上は前年を上回っているが収益率は大きく下がっている。ニュースで景気の先行き不安が叫ばれており、そういう空気が発売額にも影響している」とする。

 20日から今年度最後の5日間連続開催を迎えたが、収入は想定から約1億2000万円減少する見込み。このうち年間最強馬を決める「ばんえい記念」(21日)については、来場できないファンにレースの臨場感を味わってもらおうと、全出走馬がゴールするまでライブ配信を続けるなど、盛り上げに工夫を施した。

 来年度は4月24日に開幕するが、観客を入れて開催できるかは未定。同1日から他場の競馬も始まるため、帯広競馬場を開けるかどうかは3月中に結論を出す。ばんえい振興室は「無観客開催が続けば発売額への影響が大きくなる。この状況がいつまで続くか不安」と漏らしている。(川野遼介)

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