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新経営者に町開拓の祖の子孫 新得温泉

来春からの営業に向けて改装が進む本館と村山さん(右)。左は改築のアドバイスなどで協力するカモインテリアサービス(帯広)の加茂与志雄さん

 【新得】町開拓の祖・村山和十郎の子孫、村山和也さん(38)=帯広市在住=が、新得温泉ホテル(町上佐幌西3線)の新たな経営者となった。ホテルは来年のゴールデンウイークからの営業に向けて大改装中。先祖が開いた地の歴史ある温泉で、新たな客層の開拓を目指す。

 山形県高崎村(現・東根市)の初代村長だった和十郎は1899(明治32)年、13戸の入植団を率いて旧人舞村に開拓のくわを下ろした。新得温泉は1902年に幕別から移住した箕浦庄吉が源泉を発見したのが始まり。大正中期には「箕浦温泉」として湯治客でにぎわい、70年に新得温泉の名称になった。

 村山さんは千葉市出身で、和十郎のやしゃごに当たる。不動産会社やリゾート運営会社に勤務し、独立を模索していたタイミングで、前経営者が売却の意向を持っていた新得温泉に出合った。新得とのつながりを知ったのは4年ほど前。「特に新得を意識していたわけではなく偶然だが、これも何かの縁」と話す。

 小学校時代からの友人が経営する東京の不動産会社が土地・建物を取得、村山さんが運営する。10月から総事業費約1億円を掛けて、内外装のリノベーションを行っている。千葉県内で貸別荘業を営む幼なじみがデザインを手掛け、ヨシダホーム(音更)が施工している。

 新施設の名称は「ALL SEASON RESORT 十勝新得温泉 和火」。客室数は、本館4室(16人)と新館9室(約30人)。新館は従来通り、主に合宿利用を想定。本館は浴場や食事スペースなども含め「簡素で閑寂な空間」に改装し、主に観光での利用を見込む。

 これまで冬季の宿泊が少なかったというが、「スキー場をはじめ観光資源はあり、アクセスもいい。打ち出し方次第では冬もお客さんを呼び込めると思うので、さまざまな仕掛けづくりを進めていきたい」と話す。

 来年3月ごろに予約サイトを開設する予定。(丹羽恭太)

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