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新得町職員の片桐さんと松田さん 台風被災地派遣から帰町

被災地での経験を語る(右から)片桐さんと松田さん

 【新得】台風19号の被災地支援のため、10月27日から宮城県丸森町に派遣されていた新得町の役場職員2人が帰町した。被災家屋の調査などを通じて、自然災害の恐ろしさを実感。今回の経験を、町の防災に生かす思いを強くしている。

 派遣されたのは、総務課庶務防災係主事の片桐祐馬さん(25)と税務出納課課税係主事の松田知也さん(25)。丸森町の「対口支援団体」に指定された道から要請を受けた。要請から出発までの準備期間が実質3日間しかなかったが、新得町は「より早くに多くの支援が必要」と判断し、第1陣に手を挙げた。

 丸森町は阿武隈川の支流の氾濫で、死者10人、2000棟を超える住家被害(推計含む)が出た。2人は他の自治体からの応援職員と共に、罹災(りさい)証明書発行のための家屋調査に当たった。

 道路は至る所が陥没し、山間部などでは流れ出た土砂が堆積。役場近くには膨大な災害ごみが積まれ、被害の大きさを実感した。調査のため言葉を交わした町民は落ち着いた様子で、むしろ遠方からの応援に感謝されたという。

土砂が押し寄せた丸森町の住宅(片桐さん提供)

 担当課の不休の作業で、罹災証明書発行業務はおおむね終了した。ただ、住宅に流れ込んだ土砂の撤去などの人手が圧倒的に足りない状況で、より多くのボランティアの活動が待たれるという。

 2017年に役場に入った2人は水害対応は未経験だった。2日に帰町し、片桐さんは「防災係をやっているが、被害を実際に見て考え方が少し変わった。人ごとではないということを実感した」。

 松田さんも「災害はいつどこで起きるか分からない。誰がどう動くか、事前に決めておくことが重要だと感じた」と話した。

 町庶務防災係の目黒達哉係長は「マニュアルはあっても、近年の災害は常にそれを超えてしまう。被災地での経験が、マニュアルには表れないちょっとした瞬間に生きると思う」としている。(丹羽恭太)

関連写真

  • 土砂が押し寄せた丸森町の住宅(片桐さん提供)

    土砂が押し寄せた丸森町の住宅(片桐さん提供)

  • 土砂が押し寄せた住宅(片桐さん提供)

    土砂が押し寄せた住宅(片桐さん提供)

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