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加工設備動かず生乳廃棄も 停電長期化で十勝の酪農現場

生乳の廃棄が進む帯広畜産大学畜産フィールド科学センターの牛舎(6日午後4時ごろ、新井拓海撮影)

 酪農現場では停電により乳業メーカーなどの加工設備が稼働しないため、搾った生乳を廃棄する作業が行われている。乳牛の乳房の炎症を防ぐため搾乳を止めるわけにはいかず、全国有数の酪農地帯・十勝で生産者が苦悩している。

 多くの乳牛は毎日朝と夕の2回搾乳する。通常は集荷されて乳業メーカーに運ばれるが、今回の停電で工場も稼働していないため、受け入れがストップ。生乳の行き先がなくなっている。

 約80頭を飼育する帯広畜産大学では、6日朝から生乳を捨て、ふん尿とともに堆肥にしている。非常用の発電設備もないため、搾乳用機械も動かせない。教員や学生が15人ほどで手作業で搾らざるを得ない状況だ。しゃがんだままの搾乳作業が2、3時間続き、「腰がいたい」との声も上がる。

 同大学畜産フィールド科学センターの木田克弥センター長(62)は「手塩にかけた生産物を捨てるのはもったいない。このままではコストだけがかかる一方。早期復旧をひたすら祈るだけだ」と話していた。

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