ミルクプロテインで知的作業効率向上 帯畜大の浦島教授ら研究
帯広畜産大学の浦島匡(ただす)教授(61)らと明治(東京)の共同研究グループは、たんぱく質の「ミルクプロテイン」飲料を摂取すると、計算などの知的作業効率が向上することを明らかにした。
ミルクプロテインは、牛乳や乳製品に含まれる乳由来のたんぱく質。
帯畜大の男子学生33人を2グループに分け、一方にミルクプロテイン飲料、別のグループにはたんぱく質を除いた糖質飲料を与え、摂取前後の計算問題の正答数を測定した。数日後、与える飲料を逆転させ、同様の測定を行った。
その結果、ミルクプロテイン飲料を摂取したグループの方が、作業効率が7・95%高く持続された。測定は朝に実施した。
浦島教授は「摂取後30分で計算力に有意な差が出た。通常の栄養学では説明できない」と話す。ミルクプロテイン摂取後に心拍数が上がることも分かり、脳が刺激されたと推察される。ミルクプロテイン吸収により、腸管神経が脳に刺激を与えている可能性があるとし、今後の研究でメカニズムを解明する考えだ。
研究グループによると、朝食摂取は知的活動の効率維持・向上に重要だが、どの栄養成分を取ればいいのかは十分に明らかになっていない。
研究成果は国際学術誌「Nutrients」に掲載された。(池谷智仁)
◆記事ミルクプロテインの論文について
・論文ダウンロード(英語)-MDPI公式ホームページ