ブドウ苗木作り盛ん 池田
【池田】ワイン醸造用ブドウ産地の池田町で春の訪れを告げる苗木作りが、町ブドウ・ブドウ酒研究所のガラスハウスで行われている。枝を長さ約30センチに切りそろえ、育苗専用のポットに1本ずつ挿し木している。
作業は4日に始まり、1週間ほどかけて「清見」「清舞」「山幸」の主力3品種と試験栽培用を合わせた10品種以上の約2万5000本を挿し木する。
挿し木には、昨年の秋から冬に剪定(せんてい)し、地下の苗木保管庫で越冬させた枝を使用。乾燥を防ぐため、水に1、2時間漬けた後、栽培担当職員ら15人が、最も良い芽を残すように枝をハサミで切ってから1本ずつ挿し木している。
挿し木後は、電熱線で10日間は地温を30度に、その後は25度にして管理する。2~3週間で萌芽し、6月から11月まではビニールハウスに移して育苗、高さ50~60センチにまで成長する。育ちの良い木は来春にも販売されるほか、畑に定植される。同研究所は「町内外で栽培する人が増え、挿し木も増えてきた。水と温度の管理をしっかり行いたい」としている。
(関坂典生)