今井林野庁長官が被災地視察 「スピード感持ち復旧」
十勝の林業を視察するため、今井敏林野庁長官が23日、来勝した。十勝が8月に4連続台風の甚大な被害を受けたことから、管内の林業関係者らと復旧支援策などについても話題とし、意見を交わした。
今井長官は、上士幌町や市内の製材工場を視察した後、管内の林業関係者らとの意見交換会に出席した。
会には約40人が参加。「十勝の木材産業を活性化させる会」の秋元紀幸会長らが、森林整備や中小事業所の設備更新などを求めた。今井長官は災害でカラマツ材の不足が管内で懸念されていることについて、「原木の安定供給を念頭に政策を進めていきたい」と述べた。
秋元会長は、台風による倒木で道路がふさがれ、木材の伐採が困難であることにも触れ、「林道の復旧作業は最も優先されること。雪が降る前に何とか形をつけたい」などと訴えた。
続いて、台風による大雨被害を受けた帯広市中島町を訪問。中川郁子衆院議員らの案内で、堤防決壊で浸水した農地や損壊した太陽光パネルなどを視察した。
今井長官は「森林も農地もそこに携わる人が(台風被害で)意欲を失わないように、スピード感をもって復旧支援に当たりたい」と述べた。
一行は24日、広尾町と大樹町も訪れ、有林の倒木や流木堆積の被害状況なども視察した。(安倍諒)