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共同で特産品開発 マルハニチロと更別農高

従業員(左)から工場の製造過程などの説明を受ける生徒

 【更別】更別農業高校(小池博志校長)とマルハニチロ北日本十勝工場(杉山清工場長)は今年度、共同で村の特産品開発に取り組む。村が国の地方創生加速化交付金を活用して開発費用を支援する。同校の生徒は工場見学を通して、既に従業員との交流を始めており、今後、具体的に使用する食材や商品を絞り込んでいく予定だ。

 同工場はスイートコーンの缶詰、レトルトのコーンスープ、冷凍食品のグラタンなどの加工食品を製造。一方、同校はスモモなどの特産品を開発してきた経緯がある。両者が共同して商品開発するのは初めて。

 同工場が共同開発に期待するのは、生徒が持つ発想や味覚を商品に反映させることだ。杉山工場長は「将来的にB級グルメ開発などの足がかりになるとうれしい」と話す。

 また、同工場には同校の卒業生も働いている。杉山工場長は「商品開発だけでなく、衛生や品質管理なども伝えることで、就職先の選択肢になれば」と期待し、同校の増田実加教諭も「企業のノウハウを伝授してもらう学習会も月に数回開催したい」と話す。

 特産品開発に関わる生徒は、課題研究に取り組む加工班と食物班の30人。13日に同工場で加工食品の製造工程を見学した。既に大手亡を使ったスープの開発に取り組む班は、加工技術や適した手法について従業員に質問した。増田教諭は「新たな試みで生徒もやる気になっている」と語る。

 今後は授業の一環で、生徒と従業員が対話を続けながら、地場産食材を使った特産品づくりを進める。8月には両者が共同開発に関する協定を締結予定。杉山工場長は「年度内に製造ラインに載せ、商品として世に出したい」と話す。

 村は両者の調整を図るほか、特産品共同開発事業を同工場に委託する形で支援する。国の交付金を活用し、特産品開発費用1391万円を計上した今年度補正予算案は、13日の村議会で可決された。

 村企画政策課は「食品大手のマルハニチロ北日本と地元高校の共同開発はインパクトも大きい。同校志望者の増加や特産品の継続的な販売へPR効果が高いのでは」と期待している。

 同工場は8月1日付でガス大手のエア・ウォーター(大阪市)が取得するが、今回の共同開発体制は継続する。
(菅生佳孝、深津慶太)

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