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全国2冠を喜ぶ 障害者陸上の更別武川さん

初出場で2個の金メダルを取って喜ぶ武川さん

 【更別】紀の国わかやま大会第15回全国障害者スポーツ大会(10月25日)の陸上競技に出場した、村役場産業課主事の武川泰幸さん(30)が、弱視800メートルで2分25秒87、同1500メートルは5分10秒28でそれぞれ頂点に立ち、初出場ながら2冠を達成した。「これ以上の結果はない。素直にうれしい」と喜んでいる。

 両種目ともスタートから1人が飛び出しハイペースになったが、2番手に付けて様子をうかがい、最後の1周で先頭に立つと後続を引き離しに掛かった。800メートルは2位と約6秒、1500メートルも2位と4秒差を付けて圧勝。「ペース配分やレース展開を冷静に見極める余裕があった」とうなずいた。

 陸上歴はまだ1年。村老人保健福祉センタートレーニング室に隣接し、同センターのランニングマシンに週4回も通う武川さんを目にした村保健福祉課からの勧めで、昨年の北海道障害者スポーツ大会(9月)に初めて競技出場。以来、JBMA神宮外苑ロードレース(昨年12月、10キロ視覚障害者の部2位)や視覚障害者京都マラソン大会(2月、10キロ弱視の部優勝)、厚木市日産ふれあいロードレース(3月、5キロ視覚障害者の部優勝)など全国の大会に参戦しながら力を付けていった。当時は「本格的に陸上をやった経験もないのに、本州にまでお金をかけて行く意味があるのか」という葛藤があったと明かす。

 ただ、努力が結果として表れるごとに競技の魅力にはまり、ホクレン主催の陸上講習会などにも参加するように。同じ長距離の清水美穂選手(ホクレン-白鴎大、足寄高出)には積極的に話し掛けてアドバイスも求め、ストレッチ法や300メートルのインターバル走など自分の練習メニューとして吸収した。これらの経験の積み重ねが自信に変わり「前を走る選手がいても焦ることなく、自分のペースを守れば勝てる」と、強い自分を持つができるようになったという。

 次の目標は、来年9月に開かれるジャパンパラリンピックへの出場だ。1500メートルと5000メートルで標準記録の突破を目指す。8歳の時に割れたガラスで目を切る不慮の事故でハンディキャップを負って以来、「外見へのコンプレックスなどがあった」と振り返るが、陸上競技との出会いを通して「壁を作らず前向きに挑戦することの大切さを学んだ」と話す。「障害がある人だけでなく、さまざまな人の励みになれる存在になりたい」と意気込んだ。(小寺泰介)

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