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“釣りガール”目線で楽しさ発信 まちマイ上士幌編・番外

自身のアイデアを生かした釣り具用品を手に「釣りの楽しさを伝えたい」と話す三輪さん

 9月26日から4日間にわたり上士幌町の話題を集中報道した「まちマイ」取材班。4日間で伝えきれなかった話題や、掲載後に見聞きしたネタなどまだ数多くある。今回は「番外編」として、気になる人、気になっていたモノなどを特集する。

 【上士幌】町内に2月に移り住んだ三輪沙也香さん(28)=幕別町出身=は、釣り具メーカーとタイアップして女性目線の釣り具用品の開発に携わる数少ない“釣りガール”。釣りは女性に敬遠されがちなイメージがあるが、「多くの人に釣りの楽しさを伝えたい」とSNSを活用した情報発信にも努めている。

 三輪さんが釣りを始めたのは幼少期のころ。週末になると父健治さん(享年61)に連れられ、チカやニジマス釣りなどに親しんできた。帯広緑陽高校を卒業後は北海道美容専門学校(札幌)に進学するも、「夢が漠然としていた」と中退。十勝に戻って職を転々とする日々が続く中で、24歳のときにふと父との思い出が頭をよぎった。それを機に「今すぐ釣りを勉強できる環境に身を置きたい」と、求人雑誌で目にしたフィッシュランド音更店へ無我夢中で駆け込んだ。

 働き始めのころは常連客に「姉ちゃんじゃ話にならない」などと突き放されたが、出勤前の早朝に釣り場へ出掛けては波の状況を観察したり、実際に魚を釣ったりと地道に情報収集。フェイスブック(FB)を活用した情報発信にも精を出していたところ、たまたま投稿が宮城県の釣り具専門店「LEVEL FISHING(レベルフィッシング)」のオーナーの目に止まり、フィールドインストラクターの要請を受けた。

 以来、職場で働く傍ら、メーカーが開発中の新製品の試用をはじめ、ピンクを基調としたネットコードや携帯用のストラップなど自身のアイデアを生かした商品の開発にも着手。それを引き金に、今度は小樽市のフィッシングショップ「HAMATOMI(ハマトミ)」からもフェイスブックを通じてフィールドスタッフの依頼が舞い込んだ。ヒョウ柄にハートマークをデザインするなど遊び心を取り入れたジグ(疑似餌の一種)を開発すると、すぐ完売したという。他にも釣り針や、現在は男女兼用のトレーナーの製作に取り掛かっている最中だ。

 結婚を機に帯広から上士幌に移り住んだ今でも釣りの仕事は続けており、「次世代の子供たちや未経験の女性層にもっと釣りの楽しさを伝えられるイベントを企画したい」と夢見る。(小縣大輝)


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