搭乗率88%に 季節運航の帯広-名古屋線
日本航空(JAL)が8月の1カ月間季節運航した帯広-名古屋(中部)線の搭乗率は88%に達し、前年実績(80・7%)を大きく上回った。季節運航2年目を迎え名古屋線の存在が浸透したほか、地域一丸での利用促進の取り組みが功を奏した形で、来年の継続運航に弾みがつきそうだ。
1日にJALが公表した。名古屋線は8月に週4便(1日1往復)運航し、5227人(昨年は4794人)が利用した。搭乗率は帯広発86%、名古屋発は90%だった。
とかち帯広空港と同じく昨年から名古屋線の季節運航が始まった釧路空港の搭乗率は83・7%(同87・4%)。帯広・釧路の道東2空港合計の利用者数は8818人と、昨年(8542人)を上回った。
JALは、昨年に比べ名古屋発の観光ツアー客が増加したことが、帯広-名古屋線の利用増に結びついたと分析。世界遺産登録10年を迎えた知床や北海道ガーデンショー、道東周遊型の旅行形態普及などが要因とみられる。
地域も利用促進に積極的に取り組んだ。管内観光団体でつくる「とかち観光誘致空港利用推進協議会」を中心に、中京圏での観光プロモーションのほか、帯広まちなか歩行者天国など地域イベントでもPRした。
JAL帯広支店の紀野典彦支店長は「地元の行政や観光団体などが協力してくれたおかげ。来年につなげていきたい」と話した。
リピーター獲得に向け十勝住民対象のモニターツアーも実施した同協議会は「利用状況の詳細を分析し、将来的に通年運航の実現を目指していきたい」としている。(池谷智仁)