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十勝の聴覚障害者と交流 日ハム石井投手 

前回の交流で贈られた石井投手のユニホームを手に、「子供たちに夢を与える場にしたい」と話す小川代表

 先天性難聴を持ちながらプロ野球・北海道日本ハムファイターズで活躍する石井裕也投手(33)が13日、帯広聾学校で児童・生徒と交流する。帯広の森野球場で14、15日に行われるパ・リーグ公式戦(日ハム-福岡ソフトバンクホークス)に合わせての訪問。障害者雇用のコンサルティングなどを行う「青鳥舎」(幕別町)の小川洋輝代表が、球団側に話を持ち掛けて実現する。小川代表は十勝管内在住の聴覚障害児に参加を呼び掛け、石井投手も「お会いできるのを、とても楽しみにしています」と心待ちにしている。

 石井投手と帯広聾学校の子供たちとの最初の出会いは、2年前に帯広で行われた日ハム戦。きっかけは当時、福祉施設の職員だった小川代表が球団側に送った1通のメールだった。「障害を抱えて自信が持てなかったり、引きこもりがちの子も多い。ハンディを持ちながらも活躍する野球選手の姿を見てもらい、子供たちのチャレンジする力を育みたい」。多くの障害児を見続けてきた小川代表の強い思いだった。

 試合前日の練習後、石井投手はスタンドに集まった聴覚障害の子供たちを前に自らの経験を語ったり、記念撮影をするなどして交流した。

 石井投手の聴覚障害は重度(右耳80デシベル、左耳90デシベル)で、「常にジェット機の下にいるような状態」(小川代表)。「こんなに聞こえないのに…」と、その障害の重さに驚いたのは児童より保護者の方だったという。同校の熊谷英雄校長は「元気にスポーツをする子が増え、親と野球を始める子も出てきた」といい、今回の交流会についても「学校まで来てくれる石井投手に感謝。子供にも保護者にも大きな励みになる」と期待する。

 交流会は同校体育館で午後3時15分から。事前に募った石井投手への質問や記念撮影などの他、小川代表が自ら取材した日ハムの黒木知宏ピッチングコーチのメッセージ動画も流す。小川代表は「もともと球団と関係がなかった自分の経験も含め、子供たちに夢を与える場にしたい」と話している。

13日帯広聾学校 参加者を募集中
 参加対象は管内在住の聴覚障害児。事前の申し込みが必要で、参加希望者はEメール(seityousya@gmail.com)で申し込む。(高津祐也)

<石井裕也(いしい・ゆうや)投手>
 横浜市出身。先天性の難聴を抱えながらも小学2年で少年野球チームに入り、野球を始める。プロでは横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズを経て2010年に日ハムに入団。登板中は補聴器のスイッチを切ることが多く、静寂の中で三振を奪っていくことから「サイレントK」と呼ばれる。



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