おふくろの味愛情漬け18年、JAめむろ まちマイ芽室編
冬に農家のお母さんたちが熱中する漬け物づくり。芽室にも多くのグループがある中、「JAめむろ女性部漬物部会」(竹澤富美子部会長、会員15人)は18年間にわたり、手作りの漬物を町民に届けてきた。緑のめぐみ館(東めむろ3)を拠点に漬物作りに取り組んできたが、7日に開かれた「農村女性まつり」が会の活動は最後。会員は「食べ続けてくれたお客さんに感謝の気持ちでいっぱい」と話している。
感謝込め最後の販売
「今年で終わってしまうの?」「毎年ありがとう」-。多くの来場客でにぎわったまつり会場の町ふれあい交流館。漬物部会の販売コーナーには、最後の販売を惜しむ客が並んでいた。
部会は1997年に発足し、女性部主催の「夕やけ市」や町内のイベントで販売を続けてきた。しかし、会員の多くが70歳を超えるようになり、会員数は減少。最近は漬物の品数も減っており、同まつりで活動を終えることを決めた。
最後の販売で並んだのは、切り干し大根をしょうゆやみりんなどで漬けた「はりはり漬け」や「ゴボウのしょうゆ漬け」、大根をビールで漬け、ウコンの黄色が映える「ビール漬け」など9品。1月下旬から下漬けや本漬けを経て、漬け樽の天地返しを行った。
今月2日の天地返し。竹澤部会長(63)は「自分たちが良いと思った味でもお客さんには合わないことも。万人受けする味を作るのは難しい」と真剣な表情。会員が味見をすると「今年は満足できる味になったかな」と笑顔を浮かべた。
減塩が叫ばれる中で、漬物離れが進んでいると感じていた。「芽室の野菜をおいしく食べられる方法として伝えたい」と竹澤部会長。会の活動が終わっても、それぞれ自宅での漬物づくりは続く。(深津慶太)
芽室町は畑作を中心に道内有数の農業生産額を誇る。その農業王国を支える農家は、本業はもちろん、趣味も多種多様で全力投球だ。
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