帯広三条高校合唱部参加 故友章さんＣＤ全国発売
ＣＤの完成を喜ぶ帯広三条高校合唱部の山田さん、豊田教諭、岡田さん（左から）
帯広出身のシンガー・ソングライター故・友章（ゆうしょう）さん（享年４８）のＣＤアルバムが１７日、全国発売される。合唱コンクール全国一の実績を持つ帯広三条高校合唱部（須田瑞季部長、部員４４人）がレコーディングに参加した、難病の少女を励ます曲「君へ…」（合唱バージョン）も収められている。同部はすべての人への応援歌として、今後も歌い継ぐ考えだ。
友章さんは約３０年間東京で音楽活動を続け、昨年２月に硬膜外出血で急逝した。実兄の加藤祐功さん（いちまる社長）が、友章さんのパソコンに未発表曲を見つけ、本人の願いをかなえようとレコード会社によるＣＤ制作を企画した。
完成した遺作集「君へ…」はＣＤ２枚組み。厳選した２０曲と合唱部が歌う「君へ…」をボーナストラックとして収めた。「心の傷を知る、大人のためのロックアーティスト」として知られていた友章さんの歌声は、自身で演奏するエレキギターの音色に乗せて力強く、時に優しく包み込むように響き、青年期まで過ごした十勝の澄み渡る空や大地を感じさせる。
「君へ…」は重い心臓病の少女に向けた曲で、ラジオを通じて多くの募金を集めた後は、つらい状況下で頑張るすべての人の応援歌として広がった。合唱版は、帯広在住で作曲家としても活動する川崎智徳さん（帯広小教諭）が女声三部合唱に編曲。レコーディングは６月に帯広市民文化ホールで行われ、２、３年生２８人が臨んだ。
完成したＣＤを手に、岡田優芽さん（３年）は「歌いながら涙が出るような曲」、山田花さん（同）は「この歌に出合い三条合唱部として一歩前進できた。後輩に歌い継いでもらいたい」という。顧問の豊田端吾教諭は「コンクールで結果を出す一方、地域の方々に根付いた歌声として十勝の価値を高める活動を今後も両立していきたい」と語る。
管内のＣＤプラザＷＡＶＥの店頭には既に並んでいる。全道の玉光堂でも販売される。加藤さんは「多くの人の協力で、友章の突然の死からようやく大きな区切りがついた」と話す。価格は２８００円（税別）。（酒井花）
◆シンガー・ソングライター友章さんについて
・編集余録「友章の『空』」－十勝毎日新聞電子版（2013/09/21）
・帯広出身の友章さんのＣＤ全国発売へ 帯広三条高合唱部も参加－十勝毎日新聞電子版（2014/04/15）
・故・友章さんの曲 帯三条高合唱部ＣＤ制作で収録－十勝毎日新聞電子版（2014/06/17）
