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帯広の篠原さん過去天気ソフト開発

過去の天気を簡単に調べられるソフトを開発した篠原さん。パソコンなら過去15~45年分、タブレットなら15年分の天気概況などを一覧できる(塩原真撮影)

 帯広市内の自営業篠原行雄さん(56)が、全国各地の過去の気象データを集計して視覚的に表示するソフトを開発した。過去の天気の傾向から晴れの日を占ったり、気候変動の様子をつかんだりと、さまざまな使い方が想定される。

 開発したのは、全国155地点の気象データをまとめた「全日本気象録」と、60都市ごとのデータをまとめた「ご当地天気」。帯広版もある。気象庁による天気概況、気温、日照時間、降水量など26項目の観測記録について、1961年から2013年まで53年間のデータが蓄積され、任意の月日の過去の天気をまとめて見ることができる。

 予報できない長期先の予定を立てる時などに利用できる。篠原さんは「例えば数カ月先の結婚式の日取りを、晴れがちの日に設定するために活用してもらいたい」と話す。旅行などで全国を訪れる機会が多い人は「全日本気象録」がお薦めという。過去の気温の推移や風速・風向の傾向などを表示できる85種類のグラフも用意している。「ご当地-」には天気概況など主要な項目を一覧できる電子書籍も付き、スマートフォン(スマホ)やタブレットでも見られる。

 基礎になったソフトは、篠原さんが01年に開発した。きっかけは町内会で子供会会長を務めたこと。「行事の日程を決めるときに、どうせなら晴れの日に設定して良い思い出にしてもらいたいと考えたが、晴れがちの日を知る手段がなかった」。そこで、気象庁のデータを基に過去の天気を表示できるソフト「ビジュアルお天気メモリバンク」を開発した。無料ソフトとして配布したところ評判を呼び、経産省などが主催する「デジタルコンテンツグランプリ2001」では優秀賞に輝いた。

 毎年データを更新していたが、10年以降、気象庁のデータを2次利用することが技術的に難しくなった。気象業務支援センターのデータを購入することにしたが、年間60万円近い経費が発生することに。当時、公務員だった篠原さんは退職して会社を設立、事業として開発を続けてきた。「迷いはあったが、このサービスを提供し続けたいという思いが強かった」と振り返り、「時間とエネルギーを注いで完成したこのソフトは自分の子供のよう」と話す。

 現在は、最新のデータを自動取得する機能や、スマホ用アプリとしての開発にも取り組んでいる。将来的には外国版の制作も考えており、「残りの人生をこれに懸けるつもり」と話している。

 価格は「全日本-」が2980円、「ご当地-」が980円。ソフトの購入、ダウンロードは篠原さんの会社(JP-BeNAS)のホームページ(http://www.jp-benas.co.jp/)から。(丹羽恭太)

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