小学生提案の安全ブランコ登場 大樹
【大樹】昨年7月の子ども議会で、当時の小学6年生4人が提案した「安全対策強化ブランコ」が、大樹小学校(板谷裕康校長、児童279人)で設置が実現し、低学年の児童らに喜ばれている。安全な遊具の設置を望む子供たちの“生の声”が行政を動かした形で、中学生になった4人は、大人に声を届けることの大切さを実感している。
提案したのは、折笠唯一朗君、林皇雅君、斎藤隆太君、下山華月君(いずれも大樹中1年)。昨年の子ども議会前、安全設備がない既存のブランコで遊んでいた1年生が落下したのを受け、「ブランコに背もたれやシートベルトの設置を」と訴えた。町教委の辻本正雄教育委員長は「検討したい」と答弁していた。
新設されたブランコ(縦横35センチ)はかご形。上から乗り込んで足を入れるタイプで、4個あった通常ブランコの一つを変更した。背もたれやシートベルト付きのものは学校生活に適した既製品がなく、実現しなかった。設置費用は約6万円。今年度、当初予算に盛り込み、町教委が準備を進めていた。町教委の小林文雄教育長は「子供たちの思いやりに応えたかった」としている。
同校によると、夏休み前に新しいブランコが登場してから、低学年児童らが喜んで使っている。ブランコに乗ることが難しかった特別支援学級の児童も楽しめるようになったという。提案を実現させた4人は「本当に設置されるとは思っていなかったので、うれしい」「子供でも(大きなことを)変えられることがよく分かった」と声を弾ませる。
町議会(鈴木千秋議長)は2012年、子供たちが意見を述べる場として子ども議会をスタート。行政への関心や理解の向上を図り、地域の一員として社会への参加意識を高めてもらう狙いがあり今年は15日に開催される。
子ども議会では、同校の6年生がおおむね4人一組で一般質問を行う。15日に後輩が子ども議会に臨むことから、4人は「図などを使って分かりやすく伝えて。何を言われてもめげずに自分の意見を貫いて」とアドバイスしている。(関根弘貴)
◆子ども議会での提案について
・たいき議会だより(特別号) 1組6班(PDFファイル/p7)-大樹町ホームページ