水面に映る「めがね橋」 タウシュベツ川橋梁の水位上昇 見頃は
【上士幌】国の登録有形文化財や北海道遺産に指定されている「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁(きょうりょう)群」の一つで、糠平湖に残る「タウシュベツ川橋梁」(町ぬかびら源泉郷)が、6割ほど湖底に沈み、深まる秋を迎えている。今月いっぱいまでは湖面にアーチ橋の影が映る景観を眺められそう。湖の水位上昇に伴い、本来の“幻の橋”として湖水に姿を消しつつある。
11のアーチを備える同橋梁(全長130メートル)は、例年5月ごろから沈み始める。今年は少雪や少雨の影響で湖底があらわとなる状態が続いていた。ただ、8月10、11の両日に接近した台風11号に伴い、ぬかびらで120ミリの雨量を記録。冬場に向けた電力需要期とも重なって同25日以降から徐々に水位が上昇したため、アーチ橋の姿を隠し始めたという。
現在の水位は10メートル程度で、アーチ橋の影が水面に映る「めがね橋」の景観が広がっている。NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの河田充代表によると、紅葉が深まる木々や山々を背景に同橋を眺められるのは6年ぶり。湖面に姿を映す光景は今月いっぱいまでとみられ、「今年で見納めにならないことを願いたい」(河田代表)と話している。(小縣大輝)
◆タウシュベツ川橋梁について
・北海道の世界 タウシュベツ川橋梁-十勝毎日新聞電子版
・タウシュベツ橋の変遷-ひがし大雪自然ガイドセンター公式ホームページ
・ガイセンblog-ひがし大雪自然ガイドセンター公式ブログ