見頃のエンレイソウ楽しむ 広尾
【広尾】国内有数のオオバナノエンレイソウの群落地・シーサイドパーク広尾が“旬”を迎えている。中学校の環境活動に活用したり、多くの観光客らが足を運んで花をめでたりしている。(関根弘貴、石原秀樹通信員)
○…同パークのオオバナノエンレイソウは現在、見頃を迎えている。同パーク内の保安林(約28ヘクタール)に約100万株がかれんな白い花を咲き誇らせている。今年の開花は大型連休明けで、平年並みだった。
穏やかな十勝晴れに恵まれた18日には大型バスに乗り合わせた観光客や写真愛好家が訪れ、10年以上かけて開かせた花との一期一会を楽しんでいた。同パークを管理している町教委社会教育課によると、あと1週間程度は楽しめる見込み。
オオバナノエンレイソウはユリ科の多年草。開花まで十数年かかるとされている。北大の校章にも使われている。
○…広尾中学校(太田昭弘校長、生徒183人)で16日、同校と豊似中の1年生合わせて77人が、北大大学院の大原雅教授らにオオバナノエンレイソウについての講話を受けた。群落を維持するために必要な知識を学んだ。
環境学習の一環。2009年から専門家の大原教授と協力して行っている。
大原教授は(1)発芽して10年かけて開花するまでの流れ(2)花粉や種子を運ぶ虫の役割-などを説明。「群落維持のためには林の生態系を守らなくてはいけない」と強調した。
同パークに移動後は大原研究室の学生、院生4人も同行。生徒たちは花の中にある開花前の「三枚葉」を探すなど、講話内容を目で見て確認した。広尾中の山本莉奈さん(13)は「自分たちで古里の自然を守りたい」と話していた。