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漁中止、荷揚げ不能に 管内沿岸自治体に影響 チリ地震津波

津波に備え係留された漁船。岸壁には漁業者が沖出しを想定し、姿を見せた(豊頃・大津漁港、3日午前7時)

 【豊頃・浦幌・広尾・大樹】チリで発生した大地震の影響で、気象庁が3日午前3時に津波注意報を発令したことを受け、管内の沿岸自治体では、漁を中止したり、荷揚げができないなどの影響が出た。

 豊頃、浦幌、広尾、大樹の各役場や消防署など関係機関は注意報発令後、防災行政無線や携帯電話のエリアメール、消防車両での呼び掛けなどで住民への注意を喚起。海面監視や海沿いの巡回なども行いながら、情報収集に当たった。

 大津漁港(豊頃町大津港町)では、前夜から漁船約20隻が岸壁に係留し、この日予定していたツブ漁を中止し、待機状態が続いた。船主らは、津波による漁船被害を防ぐため漁船の沖出しの態勢を整えた。ある漁業者は「チリ地震(1960年発生)の津波は大きな被害をもたらした。警戒が必要だ」と気を引き締めた。

 広尾と大樹の漁協では津波による流出を防ぐために、魚を入れるタンクやトラック、フォークリフトなどを高台まで運んだ。広尾では道東車輌工業などが搬送に協力。タンクを置く場所を提供した同社の斉藤博社長は「とにかく協力したいという思いでやった」と話した。

 10センチの津波を観測した十勝港では、漁業者が「注意報が解除になるまで荷揚げができない」と困惑しつつも、「大震災のときのことが頭をよぎる」と警戒した。
(平野明、関根弘貴、津田恭平)

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