約30人が新メンバーに 「スリップバスターズ」砂まき本格化
圧雪アイスバーン状態になった交差点や歩道に砂をまくなど道路環境の改善に取り組む有志団体「スリップバスターズ」(竹内英世代表)が、厳冬期の活動を活発化させている。今冬は新たに加わったメンバーの力も借り、活動範囲を帯広市内に限らず各町村にまで広げる。竹内代表(38)=帯広=は「行政ばかりに頼らず、地域の安全や安心を守るために自ら行動する意識が住民の間に根付けば」と意欲をみせている。
同団体は「自分の住む地域は自分たちで守ろう」を趣旨に2003年12月に発足。その後、活動に賛同する企業や有志の支援の輪も広がり、一時は40人を超える規模となった。ただ、年齢や仕事の都合で徐々に脱退者が増え、一昨年末は残った竹内代表と井戸川勇治さん(34)、岡和田祐樹さん(31)の会社員3人が居住区域の市内南町地区を中心に活動を続けてきた。
今冬は、再び活動を活発化させ、範囲も拡大しようと3人は幕別や中札内など4町村の友人らに声を掛けて協力を要請、約2カ月で30人近いメンバーを補充した。
メンバーは、各自が業務やプライベートでの道中、危険を感じた箇所に砂をまくなど活動を展開中。竹内代表は昨年12月中旬から、市道路維持課から分けてもらった4キロ入りの砂袋を自家用車に常備し、行政の手が行き届かない生活道路に目を光らせる。今冬は既に230キロ以上の砂をまくなど、市民の足元の安全を支えている。
その一方で、凍結路面に足を滑らせて転倒する“冬型事故”は少なくない。市消防署救急課によると、昨年12月1日~今年1月13日は40~80代の25人が病院に搬送されており、「頭を強く打ち重傷を負った人もいる」(同課)と警鐘を鳴らす。
今月下旬には市内各小学校が始業式を迎える。稲田小に通う長男優斗(はると)君(1年)の父でもある竹内代表は「歩きやすい安全な通学路を確保するのも大人の役目」と話す。今後は各町内会を巻き込んだ住民主体の活動として根付かせたいと考え。「若い世代が活動を受け継ぎながら、地域の絆を強めていければ」と張り切っている。(小縣大輝)