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フィリピン台風被災医療支援 幕別出身の三好さん活躍

フィリピンでの活動の様子を報告する三好さん(国際協力機構群馬デスク提供)

 【群馬県高崎市】幕別町出身の診療放射線技師三好貴裕さん(38)=国立病院機構高崎総合医療センター勤務=が、台風被害を受けたフィリピンに派遣された国際緊急援助隊医療チームの一員として参加して帰国し、24日、同センターで報道陣に活動を報告した。三好さんは、厳しい状況から立ち直ろうとするフィリピンの人たちの姿に「援助隊として与えることができたことよりも、多くのことを与えてもらった気がする」と活動を振り返った。

 三好さんは帯広柏葉高校卒。国際医療福祉大卒業後、国立がんセンター東病院などを経て11年から高崎総合医療センターに勤務する。

 11月8日に発生した台風30号で甚大な被害を受けたフィリピン政府の要請で、国は同11日から3次にわたって医師、看護師、医療専門職らから成る医療チームを派遣。三好さんは同29日~12月12日の3次隊(24人)に参加した。

 3次隊は被害の大きかったレイテ島タクロバン市内の公園に設置した医療テントで診療活動を行ったほか、周辺の村で巡回診療に当たった。診察した人数は1242人に上った。三好さんはX線撮影を中心に、受け付けなど診療活動のサポートを担当した。

 タクロバンではまだがれきが至る所に山積みになっている状態で、あちこちでがれきを野焼きする煙が上がっていたという。診察に訪れる人々は台風による直接的な外傷を負っている人は少なかったが、衛生状態の悪化やストレスなどから、急性呼吸器感染症や結核の症状が出ている人が多く、胸部を中心にX線撮影も96件に上った。

 2010年のパキスタンの洪水災害の際にも援助隊に参加した三好さんは、「前回は全てが初めてのことで、もう少しできることがあったのではないかと思っていたので、機会があればどうしても行きたいと思っていた」という。「前回からの3年で語学力も少し上がり、患者とのコミュニケーションが少しは取れたと思う」と手応えを語る。

 現地ではX線撮影をした患者が後日、元気になった自分の写真や菓子などを持って来て感謝の気持ちを述べていったという。「つらい状況でも他人を思いやる気持ちを忘れないフィリピンの人たちの優しさがありがたかった」と振り返り、「どんなにつらい状況でも笑顔を絶やさない人々に、立ち直ることの大切さを教えられた」と話した。
(丹羽恭太)

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