大樹に最優秀賞住宅完成 国際大学建築コンペ
【大樹】寒冷地のサステナブル(持続可能)住宅をテーマにした第3回LIXIL国際大学建築コンペ(リクシル住生活財団主催、大樹町など共催)の最優秀賞住宅竣工(しゅんこう)式が23日、同財団所有の環境技術研究施設「メムメドウズ」(町芽武)で開かれた。出席した約60人にハーバード大(アメリカ)のチームが提案した作品「HORIZON HOUSE((地平線の家)」を披露した。
サステナブル住宅の技術を模索・検証し、社会に発信する取り組み。今回のコンペは「大自然のリトリート(隠れ家)」をテーマに北大、京大、デルフト工科大(オランダ)、シンガポール国立大など11カ国12大学を招待して行った。
最優秀賞住宅(木造一部2階建て、延べ85平方メートル)は8月に着工。四方を低い窓で囲み、気分や季節に合わせて好きな場所から外を眺められることなどが評価された。木材は大樹の足跡・記憶が強く残る牧柵、廃虚材などを活用し、断熱材は地元の木材精製所から出た木くずを利用している。
同大のアナ・ガルシア・プヨルさん(26)=スペイン=は「東京などの都市部で失った地平線を取り入れたいと考えた」と説明。審査委員長の隈研吾東大教授は「日本の知恵と海外の技術がコラボレーションした作品。詩的情緒豊かなところが魅力だ」と述べた。
来年に行われる次回のコンペテーマは「プロダクティブ・ガーデン-大樹町を五感で味わう空間」と発表された。(関根弘貴)