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「北海道の重心」この地に まちマイ新得編

新得駅前の「やじろべえ」。本当の重心はここではなく、はるかトムラウシの奥地にある

 北海道の真ん中と言えば富良野市が有名だが、“重心”は新得町内にあることは、町民でも意識している人は少ない。1993年3月、国土地理院は北方領土を含む北海道の重心がトムラウシ地域の山林内にあることを発表した。

 正確な場所は北緯43度28分02秒、東経142度49分40秒。新得駅から北に43キロ、トムラウシ温泉の西北西3・4キロの地点。93年に町はこの場所に標識柱を立てた。JR新得駅前に立つ「やじろべえ」のモニュメントもこの時建設された。

 気になるのは重心がどんな場所なのかだが、ツアーを組んで現地を探検した「山の交流館とむら」の前管理人、伊東教雄さん(49)は「笹が茂って夏はとても行けない。残雪が固くなった4月末に、同温泉に続く道路からスキーで往復6時間くらい」と証言する。

 たどり着くのにもGPS(全地球測位システム)は必須。もちろん厳冬期は雪が深すぎて近づけない。しかも標識柱は既にクマに倒されたとの情報も…。重心の地はとてつもない秘境にある。(古川雄介)

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