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「格差是正へ地方に高速道路網を」 公共投資の重要性提起 藤井教授招きシンポ 京大大学院

インフラ投資の重要性を語る藤井教授(金野和彦撮影)

 高速道路を中心に十勝の道路ネットワークを展望するシンポジウム「インフラがつくる十勝の未来」(十勝毎日新聞社主催)が5日午後2時半から、帯広市内の北海道ホテルで開かれた。講師の京都大学大学院工学研究科の藤井聡教授(元内閣官房参与)は、「基礎インフラ」として高速道路の重要性を強調、「(日本・北海道で)一日も早く欧米レベルのネットワークを構築しなければならない」と述べた。

 十勝毎日新聞の今年の年間キャンペーン「インフラ再考」の関連企画。約150人が聴講した。

 藤井氏は高速道路網が張り巡らされた欧米諸国の地図を示し、日本・北海道の高速道路整備の遅れを解説。日本では都市部に高速道路の整備が集中、インターチェンジからの距離が近い地域ほど商工業が発達し、結果的に都市と地方の所得格差を生んでいるとした。

 「高速道路などの政府投資は民間投資を生み、そこで経済が大きくなると税収も増える」と強調。財政規律を重視し公共投資に消極的な国の姿勢、財務省を中心とする霞が関の「緊縮体質」を批判した。

 藤井氏は現政権の公共事業予算が、旧民主党政権時を下回っている事実も指摘。「(旧民主党政権が唱えた)『コンクリートから人へ』の継続内閣。今の日本には地方に投資しようという気持ちがない。地方が声を出していかないと、都市部との格差が広がる」と警鐘を鳴らした。

 最後に北海道が経済的に成長しない要因として、本州と高速道路でつながっていないことを挙げ、「北海道が成長すると十勝も発展する。津軽海峡にもう1本道路トンネルを整備すべき」と訴えた。

 第2部は音更町長の小野信次氏、帯広建設業協会副会長の西江靖幸氏(西江建設社長)、帯広商工会議所副会頭の野村文吾氏(十勝バス社長)、帯広厚生病院救命救急センター長の山本修司氏を交えてディスカッションを行った。(丹羽恭太)

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