満寿屋と畜大 新作パン 耳まで白い・わさび種
満寿屋商店(帯広、杉山雅則社長)と帯広畜産大(奥田潔学長)は共同研究で、耳まで白い独自製法の食パンと、わさびを発酵種としたライ麦パンを開発した。このうち、わさび種は特許を出願した。満寿屋はこの2種を使った新商品4品の販売を2日から帯広市内の麦音で始める。
耳まで白い食パンは、両者共同開発で特許出願申請中の「炊き種製法」を使った。100度前後で1時間ほど焼き上げ、「真空冷却機」で一気に温度を40~50度まで下げる製法。炊き種を加えることで甘みが増し、しっとり感も継続することが、帯畜大による科学的数値でも示された。
わさび種は小麦粉と水を加えて発酵させる「ルヴァン種」の製法を活用。通常のルヴァン種に比べ、3日ほど早く種が仕上がるほか、乳酸菌量が通常製法より大幅に増えるデータも取れた。担当の山内宏昭教授(生命・食料科学研究部門)は「わさび種はこれまで文献などを探してもなかった」と説明した。
耳まで白い食パンは「満白(ましろ)」(1斤270円)、フルーツサンド(260円)、わさび種のライ麦パンは「ファーマーズブロート」(ハーフで750円)、ローストビーフのオープンサンド(398円)として商品化した。
1日午前9時半から帯畜大で発表会が行われ、畜大側は小田有二地域連携推進センター長や山内教授、満白食パン開発に携わった大学院2年の寺山采花さん(24)とセンター技術職員の相内由紀子さん、満寿屋側は杉山輝子会長や天方慎治地産地消部長、岡田昌樹木野工場長が参加した。(佐藤いづみ)