家族、同僚「無念」 鈴木さん遺体発見か
【大樹・音更】台風10号による大雨で大樹町幸徳でRVと共に川に転落して行方不明になっている音更町共栄台東の鈴木洋平さん(28)とみられる遺体が2日午前、転落地点近くのヌビナイ川で発見され、家族らは無念の思いをかみしめた。勤務先の音更町内の会社同僚らも無事の帰還を祈っていたが、願いは届かなかった。
現場で遺体の搬送を見守った父の鈴木博志さん(60)は「かわいがって育ててきた。無念の一言」と苦しい胸の内を語った。鈴木さんの伯父(67)は1日、2日と大樹町旭浜の河口付近から捜索していた。「どこかで気絶しているだけで生きていてくれたらと思ったが」とし、「見つかって良かった。優しく友達もいっぱいいた」と話した。
勤めていた音更町内の河川事業調査会社の上司は、「明るい性格で仕事ぶりも真面目。若いので水量調査の技術を継承して、頑張ってほしいと期待していた」と話し、2日朝には「一刻も早く無事で見つかって」と祈っていた。
鈴木さんは大学卒業後に入社し6年目で、河川のピーク時水量などの調査が専門。調査は雨が降っているときに川に向かうことが多いが、「(鈴木さんは)調査経験も長く、危険な場所や現場の状況は熟知していたと思う」(上司)という。
今回も台風10号の接近による降雨のため、8月30日午後4時ごろ、同僚2人とともに会社を出発し調査に向かった。翌31日午前2時ごろに会社に事故を知らせる電話が入った。
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