「器で心に余裕を」 ガラス工房フンベ まちマイ音更編
勝野好則さん(50)
「ガラス器を選び使うことを通じて、暮らしに余裕を持つことの大切さを伝えられれば」。2001年から町内万年西1線60の農村地帯の一角に工房を構え、コップやグラス、皿の食器類、オブジェなどのガラス作品を制作している。
音更生まれで、管内の高校を卒業後、帯広市のガラス会社に就職。「(雇用の)条件が良かったのがきっかけだけど、数年もするとガラスの仕事が面白くなり、ずっと続けている」
札幌のガラス会社勤務を経て1993年に独立し、最初は芽室町美生に工房を構えていた。しかし、留守中に火災が起きて全焼。その後、知人のつてで音更町万年に移り、改めて工房を再建した苦労人だ。
作品は道内で開く作品展を通じて販売。全国の個人・企業などからの注文制作も受け付ける。作品づくりで大事にするのは、「使う人の背景やストーリー」という。「どんな人がなんのためにどう使うのかを把握し、それらを踏まえ、意図を込めてつくる」
ガラス器を注文した人がプレゼントとして第三者に贈り、その人からも喜ばれることが醍醐味(だいごみ)。「ガラス器を買う客は自分で余裕をつくっている。お客さんのそんな姿に学ぶと余裕を持つ大事さが分かる。本当は、自分に余裕なんてないんだけど」と笑った。(井上朋一)
((電話)0155・45・2042)
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