大樹航空宇宙実験場 大気球実験、知名度グングン 見学者も“急上昇”
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「大樹航空宇宙実験場」(町多目的航空公園内)への見学者が今年度、大幅に増加している。町によると、26日までに48件・1020人が訪れ、既に前年度トータルを26件・436人も上回っている。背景には今年度本格化した大気球実験などがあるとみられ、町は「施設が充実し、管内での知名度が上がってきている」(企画課)と手応えを感じている。
JAXAは同実験場で、航空宇宙関連のさまざまな実験を展開。近年では2001〜04年に成層圏プラットフォーム定点滞空飛行試験、08年からは大気球実験が行われている。施設も年々充実。大気球の実験用では、指令管制棟やスライダー放球装置が新設された。
見学の受け入れは町企画課が主に担当。町職員が同実験場の施設を案内するほか、大樹で実施されたJAXAの実験についてビデオを使って紹介している。
見学者は06年度が15件・187人、07年度が28件・595人、08年度が22件・584人と推移。今年度の人数は04年度(2200人=18件)に続き過去2番目の多さになるとみられる。今年度の大幅増の要因として、町は「大気球実験の本格化」を挙げる。実際、大気球が6基打ち上げられ、科学観測などを通じてさまざまなデータが収集された。
見学者は小・中学校、老人クラブ、自治体などさまざま。今年度は初めて幼稚園児も訪れ、滑走路上をバスで走るユニークな体験に臨んだ。このほど見学した帯広の老人クラブは大気球指令管制棟などを見て回り、「施設に対する町の負担は」「広大な土地で見晴らしが良い」などの質問や感想が出ていた。
町は「航空宇宙産業基地として、さらに関心を広めていきたい」としている。(佐藤圭史)