大樹町と連携協定 JAXA 町民への“授業”実施も
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日午後、町との間で実験などに関する「連携協力協定」を26日に締結すると発表した。協定の詳細は明らかにされていないが、実験時の地域との取り決め、地元の子供たち、町民への授業や講演会の実施なども盛り込む予定。JAXAが道内の自治体と同協定を結ぶのは初めて。
JAXAはこれまで、町多目的航空公園で無人小型飛行船など各種実験を展開。2004年9月には、全長68メートルの実験用飛行船を遠隔操作で飛行させる「成層圏プラットフォーム」で成功を収めている。
5月中旬からは、岩手県大船渡市の三陸大気球観測所で実施してきた大気球実験を、同航空公園の「大気球指令管制棟」を使って開始。「より一層の連携の強化が必要になった」(JAXA)と今回、協定締結の運びとなった。書面化し、広くアピールすることで、実験の円滑な実施や地域のイメージアップなどを図る。
調印式は26日に町多目的航空公園の飛行船格納庫で行い、JAXAの立川敬二理事長と伏見悦夫町長が調印する予定。町は「宇宙のまち・大樹の新たな一歩。JAXAには地域振興を期待しており、町としては日本の航空宇宙産業の発展に寄与したい」(総務企画課)としている。
これに先立ち、25日午後2時からは町生涯学習センターで記念講演会を開く。定員200人で入場無料。JAXA宇宙科学研究本部の吉田哲也大気球実験室長ら2人が講師を務める。問い合わせは町役場総務企画課(01558・6・2111)へ。(北雅貴)