カムイ実験失敗・パラシュート HASTIC 気温低く分離機構作動せず
【札幌・大樹】NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌)は28日、大樹町多目的航空公園北側原野で8日に行われた道産ロケット「CAMUI(カムイ)」の打ち上げ失敗に関した報告書をまとめた。打ち上げ時に現場の気温が低かったため、ロケットの機体と超小型模擬衛星(CANSAT)などを積んだ荷物部分(ペイロード)を分離させ、中に入っていたパラシュートを押し出すシステムが作動しなかったことが失敗の原因としている。
HASTICは分離機構を冷却する試験を実施。分離機構は氷点下5度までは正常だったが、同12度からは急激に異常をきたし、同15度ではほとんど作動しなかった。HASTICによると、実験当時の気温は同12度から同15度で、打ち上げ前には同5度で機能試験を実施していた。
今後の対策として、想定される環境温度(36度から氷点下15度まで)に対応した環境試験を実施、ロケットの各機能を確認した上で、打ち上げ時に機能が保証されない温度域となった場合は、打ち上げを見送るとしている。(北雅貴)