深尾神戸大准教授ら無人飛行船実験 大樹 災害時の情報収集へ
【大樹】神戸大学の深尾隆則准教授と同大大学院工学研究科などの学生らによる無人飛行船の自律実験が、29日まで町多目的航空公園で行われた。同大が大樹町で実験を行うのは昨年に続き2回目で、災害時の上空からの情報収集が目的。深尾准教授は「天候にも恵まれ、スムーズに実験が進められた。プログラム通りの自律飛行ができた」と手応えをつかんだ様子だった。(北雅貴)
同大は1995年1月の阪神大震災以降、災害時の救助活動に関する実験や機器の開発に取り組んでおり、今回の実験は文科省の「科学研究費若手研究」として資金援助を受けている。
同飛行船は全長12メートルで、回転型カメラや全地球測位システム(GPS)、風速センサーを搭載。都市における災害発生時の、初期の情報収集手段の1つとして開発されている。
飛行船は飛行機やヘリコプターに比べて安全性が高く、低空で長時間飛行できる。昨夏は飛行船が指示通りに直進できるかを調べた。
今年は深尾准教授と学生6人が9日に来町。独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得ながら、29日まで約20日間にわたり、高度維持や旋回のチェックを行った。
高度は30−50メートルの位置で、距離50メートルの往復を何度も繰り返した。深尾准教授によると、旋回する際にプログラムされた位置から外れることもあったが、すぐに修正できたという。
来年度の実験は未定だが、深尾准教授は「環境が許せば、次回は離着陸も手動で行いたい。カメラの画像ももっと見やすくできるはず」としている。