道宇宙科学技術センターの小型ロケット 「CAMUI」3度目の挑戦
【大樹】NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌市)などが開発した気象観測用小型ロケット「CAMUI(カムイ)ハイブリッドロケット」の打ち上げ実験(高度10キロ)が8月4日早朝、町多目的航空公園南側の町有地で行われる。昨年3月と7月に実施予定だったが、燃焼実験でエンジンに不具合が生じたため延期となっており、3度目の試みの成否が注目される。(北雅貴)
同実験は超音速飛行での詳細な飛行データを取得することが目的。ロケットは全長3・6メートル、重量38キロで、ポリエチレンと液体酸素を推進剤に機体を高度10キロまで飛ばし、海上に着水させ、回収する。
火薬類を使わないため安全で、液体燃料を使用しないので海の汚染を防ぐ。機体にはGPS(全地球測位システム)受信機と送信機が搭載され、位置を地上局に送信。着水後の機体発見のバックアップとして、電波発信機も取り付ける。
HASTICなどは2002年から大樹町で高度数百メートルの小規模の打ち上げ実験を行い、推力を強化し、同10キロまで上昇させる打ち上げ実験を昨年予定していた。実験が延期となった後、不具合の原因を特定。昨年12月には前段となる同1キロの実証実験に成功し、データを取得した。
開発チームのリーダーで北大大学院の永田晴紀教授は「信頼性のあるエンジンを作ることができた」とし、今回の実験に自信を見せている。
実験は午前7時半からの予定で、一般の見学も可能。打ち上げ30分前に海岸までの進入路を閉鎖するため、海岸での見学を希望する場合は、町多目的航空公園に同6時50分までに集まる。予備日は翌5日で、同6時ごろ打ち上げる。