コンベンション協会 ガストロノミーツーリズムの普及へ視察ツアー
帯広観光コンベンション協会は14、15の両日、その土地ならではの気候や風土が育んだ食文化に触れる「ガストロノミーツーリズム」の普及を目指し、専門家を招き視察を実施した。十勝の持つ食の魅力を最大限に生かし、新たな観光需要などを取り込む。今後、モデルコースの開発などを進め、本格的な観光客の誘致につなげたい考えだ。
札幌市のフードライター小西由稀さん(57)を招き、帯広市や音更町で体験型のツアーを行った。14日は、帯広市の道下広長農場でナガイモ掘りを体験したほか、畑の一角で地元食材を使った料理を試食。廃棄野菜などのアップサイクルを手掛ける音更町の「やさいくる」では、タマネギの皮やニンジンの葉を活用した紙作りに挑戦した。
15日は、同市の紫竹ガーデンで無農薬野菜などのビュッフェを食べた後、芽室町の農作物直売所「めむろファーマーズマーケット愛菜屋」を見学した。その後の意見交換会では、小西さんや同協会、地元の旅行会社などが十勝でのガストロノミーツーリズムの普及に向け、課題などを話し合った。
小西さんは「いずれも十勝の産業と深く結び付いた体験だった。料理だけではなく、背景や生産者のこだわりを、五感を使って楽しむことが大きな価値になる」と評価。「移動手段が限られており、交通アクセスが課題になる」「フォトスポットを作ることでSNSでの拡散が期待できる」などとアドバイスした。
同協会は、今年度からガストロノミーツーリズムの普及に初めて取り組む。桜井政宏事務局長は「国内でも『ガストロノミーツーリズム』という言葉が知られるようになり、潜在的な需要は大きい。これまで観光と結び付いていなかった食文化を活用できるよう、チャレンジしていきたい」と話し、活動を継続する方針を示した。
今回の視察ツアーの成果を踏まえ、モデルコースを紹介するパンフレットを12月中旬をめどに発行するほか、来年1月上旬にはウェブサイトを立ち上げる予定だという。(月森七海)









